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ヴァンパイアレディの真祖はみさき百合夫婦を可愛がるそうです

 肌寒い風が吹き、紅葉した葉が散り始めた頃、世間はハロウィンで賑わっていた。東京のスクランブル交差点を怪物やゲームやアニメのキャラクターで仮装した人々が騒いで、警察沙汰になったのも、記憶に新しい。その賑わいは都心から遠く離れたこの夜見山にも、届いていた。そして、ハロウィンの夜は少女が女性しか愛せないヴァンパイアの毒牙に掛かり、吸血鬼に噛まれた者が吸血鬼へと変わる様にガチ百合と化し、その少女もまた、新たな少女や女性を求めるのだと言う…
 女性しか愛せない、それも少女の血と肉体を貪らずにはいられないヴァンパイアレディの真祖が自ら、しもべとなった恋人共にハロウィンで賑わう夜見山に現れ、誘惑された女性や少女は逃れられない。例え、ノンケであっても女性の身体を見ただけで欲情する淫乱なガチ百合へと堕ちるのだと…

 ジャックオランタンがあちらこちらに飾られ、コミカルにデザインされたお化けやカボチャを被った子供で彩られたポスターで普段よりは少し活気がある、小さなホテルにそれは現れた。三人連れの女性だった。コートを纏い、つばの広い帽子を被り、腰の辺りまで、伸ばした栗色の長髪で顔はよく見えないが、まるで人の心を見透かす様な切れ長の瞳、薄く塗られた口紅からも彼女の妖艶な美しさを伺い知る事はできる、フロントの仕事が暇だった事もあり、チェックインの手続きをした従業員も心を奪われ、この客の事は長く、記憶に残る事となった。「私、なんで、女の人にドキドキしてるんだろ!?」と狼狽えている内に魔女やモンスターの仮装をしたキャラクターのぬいぐるみで飾られたカウンターに流れる様にペンを滑らせる。
 「杏子さん…こんなところで襲っちゃダメだよ?」
 杏子と呼ばれた長髪の女性は少しバツが悪そうな表情をするが、また、冷笑を浮かべる。杏子の傍らで囁いた茶色がかったボブカットの女性、垢抜けた雰囲気ではあるが、杏子の性癖を知った上での意地悪な囁きが、子供染みている反面、どす黒い面も持ち合わせている、小悪魔の様な性格の持ち主だという事を物語っている。
 「未咲!」
 未咲と呼ばれた女性と瓜二つの女性が引き離す。未咲と顔はそっくりだが、左目を眼帯で隠した女性は落ち着いた雰囲気からか、どこか冷たい印象すら抱いてしまう。闇よりも深い漆黒を思わせる黒髪、肌も明るく日に焼けた未咲とは異なり、蝋の様に白かった。従業員もかつて、夜見山の中学校に「呪いの3組」があり、そこに「みさき」だか「まさき」だかと呼ばれる存在がいて、それは眼帯で片眼を隠している、そんな噂を耳にした事もあった。
 (まさかね…)
 チェックインを済ませると杏子は足早にフロントを離れ、寄り添う様に連れの二人の女性も後に続き、エレベーターの中へと消えていった。

 「楽しみましょう♥みさきさん……」
 ホテルの一室で杏子は白いコートや帽子を脱ぎ捨てた。コートの下に隠されていた大人の成熟した美を備え、年と共に脂も乗った肉体に鳴と未咲は釘付けになる。豊満な乳房と腰回りを包む、コルセット、紅いタイツとビキニパンツ以外は何も纏わないムッチリとした下半身、血を吸ったかの様な真紅のマントと栗色の長髪を靡かせ、何人の女性を虜にした事か、そして、嫌がる少女と肌を合わせた時もこの姿、正にそれは…
 「ヴァンパイアレディの真祖様♥♥」
 「あらあら、未咲が浮気しちゃう訳だわ♥」
 金木杏子。彼女こそが、夜見山に現れるヴァンパイアレディの真祖。元は恋人の松井亜紀を誘惑、ハロウィンを愉しむ為にこの衣装を纏っていたが、周囲の女性や少女の絡みつく様な熱い視線が気になり、誘惑して、可愛がったのが、最初だった。次第に吸血鬼に成り切る為と称して、少女を手籠めにしたり、少女や女性の生き血を吸うという身も心も魔物に堕ちたかの様に恐ろしい行為にその手を染めた。彼女に血を吸われ、可愛がられた少女や女性はガチ百合のヴァンパイアレディと化す。未咲も杏子の毒牙に掛かった。そして、同じ命を分け合った双子の姉妹である鳴さえも未咲は襲い、姉妹でありながら、百合婚した鳴と未咲は百合夫婦揃って、真祖である杏子のしもべ、引いては百合奴隷になる事を約束するに至ったのだ…

◆◆◆

 「未咲さん…あんな事、言って、いけない子♥」
 杏子は悪戯をした子供を窘めるかの様に未咲に囁き、そっと口づけを交わす。舌と舌が絡み合う卑猥な水音を立てながら、味わい尽くす、それも他に想い人のいる女性であれば、背徳感で尚も身体中を巡る血が熱くなるのを感じる…
 「ごめんね♥ヴァンパイアレディの真祖様の理性がどこまで保てるか、試してみたくなってね♥」
 胸から股間にかけて、薄い布地で覆っているだけのレオタードやハイレグの水着を思わせる格好でタイツ以外は生足を晒しているも同然の姿で未咲はヴァンパイアレディの真祖様に甘える。キスから解放されてからも子猫がじゃれる様におっぱいや股間を少し覆うだけで、惜しげもなく豊満な肉体を晒す杏子に絡むのだった。
 「甘えるの上手になったね♥」
 最初は妖艶な美女に誘惑され、それでも、最愛の鳴を裏切る事はできないと振り切ろうとしたが、多くの女性をヴァンパイアレディへと堕としていった真祖に抗える訳はなく、ボディタッチやハグから始まったスキンシップはやがて、生まれたままの姿で融け合う性交に変わってゆき、その百合の泥沼に最愛の鳴さえも道連れに。離れ離れであっても、純粋に姉妹同士で想い合い、結ばれた少女達は、女性同士で交わりながら、浴びる様に血を吸う事を渇望する妖しく、淫靡で邪悪なヴァンパイアレディ、夜見山に巣くう魔物になった。
 「もっと、私に甘えて?でないと見崎さんに噛みついちゃうぞ♥」
 杏子の人をくった様な言葉に目を潤ませ、わざとらしい涙声で未咲は答える。
 「杏子さん、未咲の血♥もっとどうぞ♥♥それに折角、鳴も血族に……♥」
 呂律の回らない言葉遣いで未咲は杏子に媚びた。自分の喉の渇きを潤す為に最愛のパートナーをその牙にかけ、ヴァンパイアレディの真祖様の血族になる為に、姉妹揃って、百合奴隷になる事を望んだのだから…

 「いただきます♥」
 ガブッと未咲の白い肩に歯を立てる。未咲の喘ぎを聞きながら、その鮮血は胃に落ちてゆく。その痛みさえも甘美なのか、嫌悪するどころか、嬉しそうに表情が綻んでゆく、一方でまだしてほしい事があるかの様に身体を摺り寄せてくる。
 「何をしてほしいか、ちゃんと言いなさい♥」
 杏子の優しくもどこか冷血さを感じる声で未咲の鼓動が高鳴る。このリアクション、それに血の甘美さ、これだから、可愛がるのは女性に限るのだと杏子は含み笑いをする。恥ずかしそうに蚊が鳴く様な声を絞り出す未咲、想い人の前だというのに、恥じらいながらも、あの「行為」をしたいだなんて、本当にエッチで可愛いものだと杏子も頬を染める。
 「杏子……真祖様の血を…吸いたい♥」
 未咲が顔をまっ赤にして、じっとりと滲む脂汗でムチッとした身体を汚し、甘えたくて、遊んでほしくて、仕方のない子猫の様に杏子の細い眼を捉えて、離さなかった。
 「良いのかしら?最愛の見崎さんがいるのに♥」
 未咲と同じく、鳴も真紅のレオタードを思わせる衣装とタイツだけという際どい格好で冷蔵庫から取り出したビールを口に含み、愛する未咲と杏子の痴態を高みの見物とばかりに視姦していた。ヴァンパイアレディと化した女性はガチ百合に染まるだけでなく、何故か、レオタードやビキニの様な悪戯に肌を晒す格好をする傾向にあるが、詳しい、理由は今のところ、不明である。恐らくはこれも≪現象≫という災厄に充てられた為か…
 「見崎さんの前でしてほしいなんて、エッチで欲しがり屋さんな悪い子♥」
 真祖様に血を与えられる、それは真祖とまで謳われる女性に抱かれるのと同じく、寵愛を受ける行為にして、ヴァンパイアレディになる為の儀式であり、ヴァンパイアレディに堕ちた少女や女性にしては百合奴隷であり続ける証でもあった。それを最愛の女性の、それも百合夫婦の契りを結んだ伴侶の前で見せつけるのは、背徳以外の何物でもない。そう、姉妹でその血を捧げたとしても…
 「杏子さんこそ、良いの?可愛い可愛い恋人が待ってるんじゃない?」
 未咲の意地悪な問いにコロコロと喉を鳴らす様に杏子は笑う。
 「大丈夫♥私以外の誰も愛せない身体にしてあげたから♥これも私と亜紀の幸せをみんなに分けてあげるんだよって言ったら、目をウルウルさせて、頷いてくれるわ♥」
 「悪い人だね♥」
 未咲はクスクス笑いながら、鳴も缶ビールを飲みながら、杏子のとても最愛の想い人がいる女性がするとは思えない話に耳を傾け、心の底まで杏子の奴隷となった亜紀を憐れむ一方で愛される幸せに酔う姿も脳裏に浮かぶのだった。
 「こら♥そういう詮索は抜きにして?」
 杏子はマントを上の方にくいっと上げると「良いよ」と小さく囁く。未咲はガブッと肩に噛みつき、真祖様の鮮血が流れてゆく感触、鼻孔を突く鉄臭い匂いもヴァンパイアレディ達の女神様とも言える女性のものだと思うと頭の芯まで痺れて、甘ったるくなる。
 「あぁ♥いぃぃい♥」
 杏子の血に満足すると未咲は口を離す。生臭い吐息や唾液が掛かり、微妙な痛みに少し顔を顰めるがすぐに真祖様の妖艶さも保ちつつも獲物を狙う獣の様な肉慾に満ちた卑しい顔つきになり、未咲に強引に口づけ、深く深く、口内へと触れてゆく。鳴の方へ眼を移すと「お楽しみを邪魔しないで」と言わんばかりに嫌らしい笑みを浮かべる。未咲と共にベッドに倒れ込む。く
 「未咲さん、可愛い♥」
 杏子はこの愛らしい未咲を優しく、押し倒す。この可愛らしい百合奴隷をどうやって、弄び、貪り尽くすかしか、獣が獲物に食らいつきたいというそれに似た醜いを欲望を抑えながらも舐め回す様に鳴よりも幼い顔立ちで細身だが、程好く、脂が乗って、美味しそうだ。二つの大きな膨らみにも、すぐ、この毒牙を立ててやりたい…
 「杏子さんこそ、すっごく……♥」
 未咲は思わず、息を呑む。鳴のスレンダーで大人の女性相応に熟し、蝋の様にまっ白な身体にも、惹かれるが、こうして、抱かれる度に杏子の肉感的な身体に見惚れてしまう。少女や彼女よりも若い女性程の瑞々しさこそないものの、全身に脂が乗り、豊満で熟し切った肉体には、彼女らとはまた違う魅力を感じた。まるで女性を抱く度により同性を魅了する美を備えるかの様に。鳴の白い二つの膨らみよりさらに重厚な巨乳はいつも目に入ってしまう。薄い布地で隠されたぷっくりと膨れた果実、あれをどれだけの女性が味わった事だろう。ジュルジュルと溢れそうな唾液を呑み、未咲はお臍の穴からサラサラと流れる様な長い栗色の髪に至るまで、凝視する。
 (未咲め…。杏子さんにデレデレして……)
 缶ビールを握る手に力が入り、眉を顰める鳴を横目でチラ見しながら、「鳴もヤキモチ妬くんだ♥」と未咲はニヤッと口元が歪むと杏子がそれを遮る様に唇を重ねる。まるで未咲が自分以外の女性に色目を使うのを許さないと言わんばかりに…
 (未咲が私以外の女とキス……)
 杏子と未咲が自分に内緒で交わった事は知っていた。しかし、目の前で最愛の想い人が、同じ命と血を分けた姉妹が口づけを交わしている。それも、何人も何人も少女を毒牙に掛けて、肉体が成熟した大人の女性をも、堕ちるところまで堕としたプレイガールなんかと!鳴の冷たい怒りを燃やす眼光に気づき、勝ち誇ったかの様に笑みを浮かべながら、杏子は未咲の唇を貪り、卑猥な水音をわざと大きく、鳴の耳に入る様にかき回す。舌を嚙むと未咲の眼に涙が溜まる。唾液と血の味を杏子は求め、深く、舌を捻じ込む。
 (杏子さん……私の中に入ってく…♥)
 このまま、杏子の舌が体内まで、ニュルニュル侵してゆく様な痛みと蛭が這う様な熱く、ヌメッとした感触、それが血の味と痛みと入り混じり、未咲を呑み込んでゆく…
 「うぐっ…ん…っ…うぅ♥」
 杏子の細く白い掌が未咲の膨らみをギューッと鷲掴みにする。薄い布一枚を通し、未咲の体温が伝わってくる。キスに悶えながらも感じられる息遣いと共に心音も聞こえる様だ。
 「うれ……ひ……いぃぃ…♥」
 未咲も杏子の焼けつく様な吐息を感じながら、左胸を圧し潰される様に責められ、心臓が燃える様にゴングの様に高鳴り、じわじわと身体が熱くなる。布越しから、乳輪をクルクルと回す様に焦らされ、弄ばれても、その愉悦さに抗う事はできず、この魔性の吸血鬼に身を任せ、彼女の肩に手をかける。キスから解放されると涎と鮮血が二人の口と口を結ぶ。
 「おっぱいぃぃ♥♥」
 鳴の前だというのに、未咲はみっともない甘えた様な間の抜けた様に鳴く。杏子が未咲のもう片方の乳房に口づけたのだ。それも敢て、乳輪に蕩ける様なキスをくらわせ、乳輪から下へ移動して、おっぱいの裏側に先程のディープキスの様に舐る様に愛撫する。喘ぎ、藻掻く度に左の乳房を握る手に力が入り、心臓が握り潰されそうな苦しさと脳裏にガンガンと響き渡る鼓動に未咲の脳味噌は蕩けてゆく。杏子のおっぱいに触れていない手はじっくりと細身ではあるが、肉付きの良い未咲の肉体を弄る。脂の乗ったお腹や腰回り、ムチムチの恥丘だけなく、大きな腿も何度、触れても飽く事はない。その間もおっぱいを握り潰す拷問や口での愛撫という飴と鞭で未咲の身体も心も支配してゆくのだった。
 「あら♥おもらしかなぁ♥♥」
 杏子は愛液や汗でグッショリと濡れた下半身に触れた。足の付け根は勿論、タイツもただのグショ濡れの布切れと化している。真祖として、多くの女性を犯してきただけあり、そろそろ、未咲の肉体も限界も近いと見て取った淫靡なヴァンパイアレディはおっぱいへの責めを止め、お腹の方にキスを降らせ、擽る様になぞる様にその細い指で撫でる。お臍の窪みをニュルニュルと舐め、下半身を赤黒く汚す熱くて、厭らしい蜜を口に含めてゆく。
 「しょこぉ♥♥らめえぇぇ♥♥」
 未咲は気持ち良過ぎて、恥ずかしくて、涙をボロボロと流す。杏子は今の未咲が見せる様な乱れた姿を見るとゾクゾクするが、それ以上にこの甘美な味が忘れられない。少女や女性の生き血よりもずっと甘くて、美味だとすら思える程。今年のハロウィンが終わっても、来年のヴァンパイアレディの真祖降臨の日まで、これで充分に生きられる程に!正気は当に保てていないだろう。その狂気は他の女性、百合夫婦になったみさき姉妹をも本物の怪物に変えるのだから…
 「美味しそう♥」
 未咲の愛液や汗、そして、本当に催してしまった為に異臭を放つ局部を杏子はうっとりと見惚れ、キスをしてから、カプッと噛みつく。
 「いひぃぃぃああぁぁあああ♥♥♥」
 もはや、思考回路等、焼け切れ、脳味噌も蕩け切った未咲は聞くに堪えない厭らしい鳴き声を上げて、杏子の女陰への口づけを受け入れる。熱い蜜は舐めても後から後から溢れてくる。お腹の奥が鳴り、それがドクドクドクっと煮え滾り、血液諸共、沸騰しているかの様、汚濁したドロドロの炎は杏子の顔を汚しながら、留める事無く、分泌される。
 「本当にエッチな子♥さーって……」
 顔をまっ赤にして、汗みどろでベッドに転がる未咲の両足を開かせ、愛液でドロドロに濡れたビキニパンツを脱ぎ、己の女陰を未咲の女陰へ重ねる。
 「はい、そこまで」
 口をへの字に曲げて、ビールですっかり酔った鳴が杏子を羽交い絞めにし、未咲が寝かされているベッドから引き剥がす。それだけは許さんとばかりに。

◆◆◆

 「あらあら、妬いちゃった♥」
 杏子は妖艶で邪悪なヴァンパイアレディの真祖とは思えない様な子供染みた笑みを浮かべる。ウィンクをして、自分を誘っているこの真性のレズとも言うべき、女性を冷たく、そして、怒りと悍ましい肉慾を湛えたとしか思えない鳴の人形の眼が射殺すかの様に覗く…
 「その義眼……綺麗…私もほしくなっちゃった♥…ああぁっ!!!」
 下半身すっぽんぽんになった杏子は突然の鳴の責めに一際、高い声で鳴く。
 「これは私と未咲のだから…」
 未咲がまだ藤岡家にいた頃、夜見山でこっそりデートしていた。デパートでお揃いの服を買った時に未咲は鳴が見せるのを嫌がっていたこの人形の眼を見て、言ってくれた。「綺麗だ」と、それはかのじょ、姉妹だけの大切な想い出、そこに土足で踏み入れる奴は誰であろうと…

 「貴女の眼こそ綺麗ね?両方、抉って、私の人形にあげようかしら…」
 杏子の女陰を弄る手を止めずに冷静でいながらも、その言葉の一つ一つに殺意が込められている。真祖とまで謳われたヴァンパイアレディですら、悪寒が走る。
 「ごめんなさい……」
 鳴の憎悪と冷たく、どす黒い殺意に怯えながらも、その豊満で脂の乗った肉体からは玉の様な汗が流れ、体内を抉られる度に杏子の心臓が脈動する。
 「大丈夫♥代わりに私とお揃いの綺麗なお目めをあげるから…」
 ミステリアスどころか、漫画やアニメでよく登場するヤンデレキャラ、真柄に未咲を愛するあまり狂った姿はもはや、愛情を免罪符に人を嬲り殺し、斬り刻む、人の姿をした醜い魔物のそのもの。黒い髪を振り乱し、作り物の左眼と肉慾や憎悪を滾らす紅い右眼が覗かせ、蝋の様な人形を思わせる不気味なまでに白い肌にも、熱を帯びている。自分の愛する者を弄んだ報いとばかりに同性を屠り、凌辱する、杏子がかつて想像していた呪いの3組の悪霊はこの様な存在ではないかと思えてくる。以前に夜見山の海辺に遊びに行った際は女性だけの集団乱交の餌食にしたというのに、自分の肉慾だけは別と考えている事からも、鳴も小悪魔の未咲と変わらない、いや、本物の悪魔や吸血鬼ではないかと疑いたくなる。
 「真祖様の癖にだらしないよ?」
 鳴はまるで怯えた少女を宥めながら、虐めるかの様に囁き、杏子と身体を寄せ合う。肉感的で雌の匂いを漂わせた身体を抱くだけで興奮を抑えられなかった。そして、女陰への責めを続けながら、首筋に牙を食い込ませながら、普通の女性よりもガタイがあるが、柔らかい肩にキスをして、汗の一滴まで、味わう。
 「激しいわねぇ♥♥」
 少女に悪戯をしたり、大人の女性をまるで子供の様に手玉に取り、犯してきた、女の子達を次々としもべに堕としていったヴァンパイアレディの真祖が今宵は女性を抱くのでなく、女性に抱かれる側なのだ。それも先程まで、犯し続けていた未咲と血の繋がった姉妹でありながら、その未咲を犯し続け、子を孕ませた愛情と肉慾が同居している様な女性に凌辱されているのだ。今までに味わった事のない体験に真祖は女陰がどんどん疼いてくる。おっぱいも力尽くで揉みしだかれ、ディープキスまでされ、そのまま、達してしまう。
 「ああぁぁぁいぃぃぃいい♥♥♥」
 「まだまだ♥♥」
 お互いの豊満な雌の匂いがしみついた肉体同士で密着され、レオタードやタイツ越しからも鳴の肉体の熱さ、獣の様な荒い息遣いが伝わる。二人の破れる様な心臓の音が溶け合う様に脳裏を蝕み始めた。程なくして、先程、絶頂に達したばかりの杏子は白い炎の様に濁った蜜を撒き散らす。
 「あらあら、イキっぱなしじゃない♥それでも真祖様?」
 鳴の意地悪な問いにまたも身を委ねようとした時だった。鳴がキャアッと不明を上げる。ようやく、精力を取り戻した未咲に後ろから抱き締められたのだ。
 「鳴ばっかりズルい!!!」
 ヴァンパイアレディとなり、真祖様に身も心も誘惑された未咲は想い人の鳴であっても、真祖様を取り上げられるのは許せなかった。そして、この時とばかりに未咲に押さえられている鳴に杏子は深く深く口づける。性も根も尽きかけた鳴に逃れられる訳はなく、舌を歯で軽く挟まれながら、舌を弄ばれ、未咲におっぱいをギューギュー揉まれ、恥ずかしさと未咲を取られた悔しさで顔をまっ赤にして、涙が燦々と溢れる。
 「さっきのお返し♥♥」
 「鳴、イッちゃええぇぇえ♥♥」
 「みしゃああきぃぃ♥♥♥きょぉぉおこおぉぉ♥♥♥♥」
 血も想いも結ばれた最愛の女性と、想い人を毒牙に掛けた卑しい吸血鬼に犯されながら、快楽と悔しさと恥ずかしさがグジャグジャになりながら、鳴の思考は停止した。
 「真祖様♥♥」
 身も心も犯され尽くして、崩れ落ちた鳴に杏子は紅いマントをかけてやる。甘えてくる未咲にキスをするとベッドの上で向かい合い、そして、肉付きの良い女陰と女陰が口づけられる!
 「真祖しゃまあぁぁ♥♥♥」
 「未咲さん♥♥♥私の可愛いしもべ♥♥♥♥」
 杏子と未咲が股間と股間を合わせ、腰を振る度にベッドがギシギシッと軋む。水溜まりかと見間違える程、シーツは彼女らの体液で濡れ始める。肉体と肉体、そして、ほんの少しとは言え、体内を触れ合う行為、幾重、身体を重ねたとて、この快感に抗えるハズはない。獣の咆哮の様な喘ぎと息遣い、血と愛液が混じり合う異様な臭気が小さな部屋に充満し、その燃える様な熱さに胎内を駆け巡り、どんどん分泌されるマグマが恥丘を、足の付け根を濡らしてゆく。
 「うぼぉぉぉおおぉ♥♥♥♥」
 「ああぁぁぁああんん♥♥ああぁぁ♥♥♥」
 激しいマグマのシャワーは肉感的で女性の美しさを持つヴァンパイアレディの真祖と百合奴隷の身体を穢してゆく。肢体もネチョネチョした蜜で塗れてゆき、その熱さに酔い痴れながら、未咲の意識は飛んだ。
 「おやすみ♥可愛かったわよ…貴女も見崎さんも…」
 杏子は未咲をベッドに寝かせたまま、そっと、部屋を出るのだった。

 「……杏子さんは?」
 鳴が浅い眠りから覚めると杏子の姿はなかった。愛する亜紀の下へ帰ったか、それとも、新たな犠牲者をハントしに行ったのか…
 「鳴♥」
 鳴が寝返りを打とうとすると未咲が覆い被さる。
 「杏子さんもいないし、折角だから、二人っきりでしよっか?百合夫婦なんだし♥」
 「良いよ♥」

◆◆◆

 「美味しい♥」
 紅いレオタードから、おっぱいと局部の一部しか隠せていないビキニや下着としか言い様のない破廉恥な格好にフォームチェンジした未咲は鳴の白い肌を傷つけ、溢れる生き血を味わう。鉄臭い不快な味と匂いのハズなのに、命を分け合った姉妹のものだと思うと、どんな美酒よりも酔い、どれだけ、甘く熟した果実よりも美味だった。鳴や杏子に貪られた生々しい行為の痕がその肌にも、刻まれていたが、この痛みを与えてくれた鳴が愛おしく、血の一滴でも物にするかの様に口元に滲んだ血を舐め取る。夜見山に棲む吸血鬼は何故、覚醒する毎に肌を徐に晒すエッチな格好になるのか、女性の血を浴びる度により残虐で淫乱になるのであろうか…
 「未咲ぃ♥痛ぃ…い…♥」
 いつも、百合夫婦の営みで未咲を責める時はあれだけ妖艶な表情と仕草、クールに嗜虐心を満たすかの様に未咲の白く、豊満な肉体を虐めている鳴、それが今はいつも可愛がっているハズの未咲に傷口を弄られながら、生き血を啜られ、排泄と子を産む為にある女性の部分を犯されていた。

 「鳴は甘えん坊だな♥杏子さんが今頃は他の女の子と遊んでるから、大好きな未咲ちゃんに甘えたくなっちゃったのかな?」
 未咲の意地悪な囁きにも頬を赤らめ、赤ちゃんみたいに指についた血をしゃぶる。「意地悪♥」等と甘ったるい声で縋る様に身を任せる姿はまるで幼い少女の様、身体を温める為、少しでも、杏子の香りに包まれていたくて、纏っていた真紅のマントもふわりとベッドに落ちる。
 「みしゃ…ぁあ……きぃぃ♥」
 女性を犯しなれている杏子に触れられ、抱かれるのも夢見心地で蕩けてしまいそうだったが、誰よりも自分の肉体を知り尽くし、一緒にいたからこそ、解放されてゆく、未咲の責めも心地良い。別の女性に抱かれた後だと尚の事、未咲の温もりが愛おしい。
 「鳴…ドキドキ…伝わってくる♥」
 未咲は今、口にしている熱い鮮血よりもずっと熱い液体が鳴の胎内でドクドクッ脈打ちながら、煮え滾っているのを感じる。薄いとはいえ、布地で覆われ、隠されているハズの女陰が息づきながら、真紅の生地をドロドロと汚し、汗で所々できていた染みも分からないぐらいにグッショリと濡らす。
 「ああぁぁああぁあああ♥♥♥♥♥」
 頭の中がスパークして、熱い吐息を漏らし、涎をダラダラ流しながら、絶頂に達する。顔も頬を紅潮させるのを通り越し、まっ赤になる。何度も何度も百合エッチしたばかりだというのに、またも洪水の様に灼熱した愛液を吐き出す。
 「ウフッ♥鳴、可愛かったよぉ♥」
 未咲は猫みたいに眼を細め、鳴の涙を舐め取り、甘ったるい猫撫で声で囁く。未咲の小悪魔の様な声、愛らしさに充てられ、鳴の心臓がドクンッと大きく、脈打った。鼓動も呼吸も荒くなり、力尽くで未咲をベッドの上に押し倒す。
 「鳴に襲われちゃう♥ああぁ♥♥」
 ブラに白く細い掌を滑り込ませ、ギュウギュウと揉みほぐし、胸元に思いっ切り、噛みついた。トクトクと溢れる血をチュッとキスする様に舐め取る。ヴァンパイアレディの真祖を襲った挙句、その身を委ね、百合夫婦の契りを結んだ血の繋がった姉妹を犯し、その血で喉を潤すし、ヴァンパイアレディへと身を堕とした姿は真祖に魅入られた哀しい女性達と同じか、それ以上に悍ましい…。にも拘らず、未咲の瞳には妖艶な最愛の想い人に映る。それは彼女もヴァンパイアレディに堕ちていったからなのか…
 「未咲の血……お腹いっぱい…♥♥」
 未咲の血で濡らした唇を舐め、ブラをずらし、もう片方のおっぱいにも口づける。
 「きゃあっ♥」
 鳴は未咲の可愛い悲鳴に酔い痴れながら、乳首にチュッとキスし、執拗に舐り回す。血の滲んだ傷口を弄るのとはまた違った愉悦さに鳴は頭の芯から痺れ、未咲は声を殺そうとするもすぐにおっぱいに走る、卑猥で甘く、痺れる感覚に溺れ、ビキニパンツの上から女陰を撫でられ、またも卑猥な声を上げる。次第に鳴の細い指は段々と下着の様な小さな布切れをかき分ける様に潜り込んでくる。
 「あうっ♥♥♥♥♥」
 鳴の手がビキニパンツに押しつけられ、動かす度に未咲の肌に押し返され、蜜が溢れる穴を目指し、潜ってゆく。探り当てた、クレヴァスの中へと飲み込まれ、体内の熱さと卑猥な蜜に触れる度に鳴は気が狂いそうな快感に襲われ、未咲もそれに応えるかの様に腰を悩まし気にくねらせる。
 「未咲…いっきゅぅぅ♥♥」
 「めぃぃ♥♥お腹の中……しゅごぉぉぃいい♥♥」
 熱した生々しい香りを放つ蜜は紅く小さな布切れでは抑え切れないかの様に洪水の様にドロドロと流れ出す。鳴が指を引き抜くと体液と一緒に内蔵迄ズルズル引き摺り出されたとすら思えた程だ。血生臭さと入り混じった雌の匂いに鳴は気持ちを抑えられず、紅い右眼は炎の様に燃え盛り、人形の眼と呼ぶ、左の青緑色の義眼も冷たい欲望を宿しているかの様だ。ベリベリと厚手の紙が裂ける様な耳障りな音共に鳴は身体を覆う紅いレオタードの様な衣装を破り捨て、汗と愛液で汚れた肉体を晒す。タイツ以外は何も纏わず、ほぼすっぽんぽんの鳴の身体は細身でありながら、豊満なおっぱいの膨らみ、脂の乗った恥丘が未咲を虜にするのだった。惚けている未咲の張りついているだけの布切れも剥ぎ取り、お互いに身体と身体を重ね、濃厚なディープキスを交わす。
 「うぐぅぅぅ♥♥」
 「めひっぃぃぃ♥」
 お互いに口内を犯し合う内、おっぱい同士で卑猥なキスを重ねている内にお互いの熱さとその肉厚な身体同士、触れ合う心地良さに酔い痴れている内に二人揃って、達し、お互いの愛液を浴びてるのだった。そして、血だけでなく、その胎内から溢れた蜜さえも零すのは惜しいとばかりに鳴は未咲に圧し掛かったまま、未咲に股間やお尻を向け、自身は未咲のお尻を抑えつつ、局部にむしゃぶりつき、未咲も喘ぎながらも負けじと鳴の股間に食らいつく。

 未咲と鳴が百合夫婦の営みをしながら、お互いの生き血の甘美さに酔っていた頃、フロントの番をしていた若い女性を虜にしたヴァンパイアレディの真祖は夜見山の町で新たな獲物を求め、眼を光らせていた。

 今宵もまた、罪のない女性、無垢な少女がヴァンパイアレディ真祖の餌食となるのであった……



​ FIN

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