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​死者

百合の花は紅蓮に消える

 1998年、夜見山中学の呪いの3組に金木杏子と松井亜紀という女生徒がいた。栗色の長い髪を靡かせ、3組の他の女子の中でも、寡黙で大人びた空気を漂わせる長身の杏子の切れ長の瞳は自分に想いを寄せる亜紀を捉えていた。杏子よりも子供染みた顔立ちのその少女は杏子に見つめられると少し怯えた様な、ドギマギしているかの様な仕草をする。それがまた小動物を思わせる愛らしさがあり、杏子は優しい、時には意地悪な言葉を囁いては、柔らかい茶色い巻き毛を梳いて、震える細い肩で身を寄せる亜紀を可愛がった。
 「好きよ♥亜紀…」
 「杏子ちゃん…♥」
 ≪現象≫と噂されるクラスメイトの誰かが死ぬと噂される呪いの3組で身体も心も未成熟な二人がずっと一緒にいるのだ、女子同士であっても、愛情が芽生えるのも、おかしな話ではないだろう。いつしか、彼女らはクラスメイトから、友達、そして、恋人になった…
 「杏子ちゃん♥女の子同士なのに…」
 「私達はずっと一緒よ…♥」
 1998年の≪現象≫に決着がついた夏合宿、杏子と亜紀もあの合宿所にいた。少し古びた薄暗い部屋で生まれたままの姿で…
 (綺麗…あたしと同じ女の子なのに……)
 薄明りの中でも、杏子の明るい栗色の長い髪が流れる様に靡くのが分かる。スレンダーで程好く豊満な身体、胸の二つの膨らみにも、心を奪われる、愛する少女の裸身がこんなにも、美しく、愛おしく、思えるものかと亜紀は胸が高鳴る。形の良いお臍も恥丘やムチッとした腿、玉の様な肌にも、汗の雫が伝う。
 「亜紀、私にも、見せて…」
 杏子の身体に魅せられ、思わず、自分の乳房と秘所を手で隠そうとする亜紀を優しく、諭しながら、手を胸元から退ける。小振りな乳房とお尻、大人でも、子供でもない抽象的な艶やかさのある少女の身体、白い肌もほんのりと赤く染まっている様に思えるから、不思議である。細く、小さい肩を震わせる亜紀に杏子の細い手が触れる。
 「恥ずかしいよ……」
 亜紀は杏子の切れ長の瞳から逃れる様に顔を背け、杏子の細い手を握る。力なく、掴む、指から、亜紀の体温がじわじわと伝わってくる…
 「杏子ちゃんみたいに綺麗じゃないよ…」
 「ふふっ♥そんな事ないわ。それに亜紀の可愛い身体…もっと触れたい♥」
 杏子と亜紀の手がお互いの腰へと回る。小振りでプリっとお尻を撫でられ、亜紀はキャッと声を上げる。

 愛する杏子の裸身に惚けていると突然に唇を塞がれる。ファーストキスの相手が女の子だなんて、呪いの3組に来るまでは思いもしなかった。しかし、その戸惑いすら溶けてゆく。
 (私は亜紀と…女の子とキスしてるんだ……)
 この少し幼い顔立ちの少女の唇を奪い、ねっとりと舌を歯茎の一本一本をも犯してゆく。キスから解放すると杏子は亜紀をベッドに押し倒す。ギシッと軋む音にも、華奢な身体を震わせる様は小動物の様、少し迫っただけで怯えた瞳、今は寝惚けている様な恥ずかしがっている様な今までに見た事のない反応、頬もほんのりと紅く染まる。少し小振りな胸の膨らみを揉み、長い爪で桜色の突起を弄ってやると喉の奥で声にならない叫びを上げているのが、絡め合っている舌や恥じらっている表情からも分かる。大きくなる鼓動と共に嗜虐心が芽吹くのを感じる。
 (この子はこんなに小さな肩をしていたんだ…)
 杏子は亜紀を生まれて初めてのキスから解放すると唇を舐め、鎖骨や胸元に紅い痕を残してゆく。最愛の人に愛してもらえた証、だが、その恥ずかしさや擽ったさ、甘美にも思える痺れる様な痛みから逃れ様と身を捩る亜紀の細く、小さな肩を杏子の手がガッチリと押さえる。相手は同い年の少女、しかし、杏子よりも小柄で少し臆病な亜紀はされるがまま、喘ぐしかなかった。
 「きゃあっ!」
 鎖骨や首筋への責めだけでも、気が変になりそうだった亜紀は左胸の痺れる様な擽ったさも入り混じった甘美な痛みに心臓が大きく脈打ち、体内の血が煮え滾るのを感じる。杏子の唇が徐に乳首に触れた。キスだけでなく、舌も絡めながら、亜紀の幼い桃色の蕾を責める。本来は母親が子に母乳を与える為の器官、それが今は最愛の女性が舐り、玩具にしている。違和感を覚え、この責めに耐えていた亜紀もいつしか、この甘い痛みに溺れ、女同士で結ばれるのであれば、最愛の女性に触れてほしい、味わってもらいたいという想いへと塗り替えられる。
 「可愛い♥」
 杏子は尚も愛する少女のおっぱいを舐り、甘噛みをしつつ、味わい尽くす。杏子に乳房を責められる度、亜紀のお腹の奥から溢れたものが溢れ出ようとしている。
 「杏子ちゃ……ん…赤ちゃんみた……あっ♥」
 亜紀が恥ずかしがりながらもたどたどしい声を絞り出す。
 「ごめんね♥」
 「あうっ♥」
 杏子にお腹に口づけられて、お臍の穴にもニュルニュルと容赦なく、舐られると子猫の様に亜紀は身を捩りながら、喘ぐ。
 「杏子…ちゃ…ん♥」
 雨が窓硝子をポツポツと打ち始める。雨音や木造の合宿所のギシギシッと軋む音も気にならなくなる程、亜紀は愛する少女の指と舌の与える快楽に溺れ、可愛らしく、泣く様な甘える様な声を上げ、先程まで、小さな女の子をあやす様に接していたハズの杏子の心をも毒していく。ぼんやりとした明かりに浮かぶ、未成熟故に子供でも、大人でもない艶やかな肉体が絡み合い、組み敷かれていた少女の幼さの残る身体が痙攣した様に暴れる。卑猥な水音が室内に響き始めた。
 「杏子…ちゃ……そ…きょ…らめぇ…♥」
 亜紀の少し丸みを帯びた恥丘に口づけていた杏子は彼女の胎内から溢れる蜜を舐め取る様に喉に流し込む。蜜の熱さ、鼻孔を突く、雌の匂いに噎せ返りながらも自身を抑える事はできなかった。初めて、味わう女性の性器や体内、愛液がここまで美味だったなんて!何よりも女の子同士のエッチ、女の子の身体がこんなに心地良かったとは、思いもよらなかった。絶頂に達しようとしている亜紀だけでなく、揚々と想い人を犯していたハズの杏子でさえもこのドロドロとしたどす黒い快楽へと呑まれてゆく。≪現象≫の呪いよりも深い闇の中へと堕ちてゆくのを感じながらも、亜紀は愛する少女に貪られながら、達する。
 「おいしぃ…♥」
 杏子はうっとりとした表情で顔や口元にへばりついた亜紀の蜜を拭い、舐め取る。

◆◆◆

 降りしきる雨は強くなり、強い風と共に古びた窓を打つ。バタバタという音もお互いの鼓動や身体の熱さ、甘い囁き、快感に狂う喘ぎに打ち消される…
 「亜紀…♥おいしい?」
 亜紀は杏子の大きな乳房にむしゃぶりつく。乳輪に歯を立て、キスをする様に舐る。大好きな杏子のおっぱいが目の前に現れただけでも興奮が抑えられなかったというのに、先程、杏子が自分にした様に、口づけ、舐り、甘噛みをしながら、弄べというのだから、恥ずかしがり屋の亜紀が躊躇しないハズはないのだが、逃げられない様に力一杯抱き締めて、耳元で嫌らしい言葉を囁き続け、嫌がる、亜紀も顔を赤らめながら、生まれて初めて、女の子のおっぱいに口づけるのだった…
 (杏子ちゃんのおっぱい…おいしぃい♥)
 亜紀はトロンとした表情でムチムチとした女の子の身体で抱き締められ、柔らかく、張りのある乳房を舐り続ける内、お互いの汗ばんだ肌の熱にも当てられ、思考はドロドロと蕩けている。自分の身体を弄ぶ少女の甘く、意地悪な囁きに絆され、女の子同士の快楽に溺れる子猫に成り果て、まるで、母親の温もりと母乳を求める幼子の様に亜紀は想い人の身体を求めている。
 「まるで赤ちゃんみたいよ?」
 先に自分を「赤ちゃん」と言った亜紀にお返しとばかりに含み笑いをする。恋人同士というよりも幼い娘をあやす母親の様だが、その瞳はまるで蛇の様に哀れな獲物を捉えている事に亜紀は気づかなかった、いや、もはや、考えるだけの頭も持ち合わせていないだろう。
 (私も…濡れてきちゃった……♥」
 餌を求める子猫の様にチュパチュパと乳首を舐め続ける亜紀のふわふわした髪をむんずっと掴み、引き剥がす。亜紀は惚けた瞳で杏子を凝視する。まるで吸血鬼の様に綺麗な顔つきだが、口元に卑しい笑みを浮かべ、妖艶さを帯びた杏子の細い瞳を吸い込まれるかの様に…
 「私の………舐めてぇぇえ♥」
 大人びた少女は頬を紅潮させ、涎を流し、嫌らしい快感に溺れた笑みを浮かべ、想い人の幼さの残る少女の眼前で股を開く。ムッチリとした腿、肉付きの良い女陰や恥丘が露わになる。汗とは別の粘性のある液体が股間から溢れ、亜紀もその魅惑的な肉体、胎内から溢れる雌の匂いに心を奪われる。
 (杏子ちゃんのお股♥……本当に…)
 女の子にお股や身体の内側を舐められた亜紀だが、今度は自身が女の子のお股を舐めるという淫靡な経験をする事に身体が震える「女の子同士」なのにという違和感、自分が愛する杏子を穢すという嫌悪感に苛まれながらも、この豊満な肉体を愛する少女の胎内に触れたいという肉慾が蕩けた思考を侵し、支配していた。気づけば、グジュグジュに濡れた杏子の女陰に口づけを交わしていた。ドクドクッと溢れる熱い蜜を喉の奥へ奥へと飲み込んでゆき、クレヴァスや愛液で穢れた少女の肉体もそれに触れ、蜜を飲みながら、一つになってゆく様な愉悦さと熱さに亜紀は溺れていった。
 「中にもっと触れて…♥」
 「うぐぅぅ♥」
 杏子は亜紀の髪を掴む手に力を入れ、さらにグイっと押し付ける。ジュクジュクと溢れる愛液で顔はすっかり汚れ、杏子の肉体の中へと、触れてゆく。初めて、味わう少女の胎内はとても温かくて、心地良かった。無垢な少女には、耐えられない感覚であり、彼女の表情も淫乱なものへと変わる。純白は如何なる色に染める、卑しく、穢れたそれへと変わるのも、容易いのだ。杏子の性器に触れ、悩まげな声を上げるのが、堪らなくなったのか、さらに執拗に執拗に責め続ける。
 「ぐっぅうう♥」
 亜紀は杏子の胎内から吐き出された蜜の甘さや熱さ、強烈な甘美な異臭に屈し、薄汚れたシーツの上に嘔吐する。

◆◆◆

 杏子と亜紀はお互いに抱き合い、熱い口づけを交わす。小さな女の子を思わせる華奢な少女の身体と大人びた少女の豊満な肉体が絡み合う。ディープキスをしながら、お互いの身体の中も触れ合うが、それだけで留まるハズはなく…
 「一緒にいこう♥」
 「うん♥」
 亜紀は両足を開き、愛する杏子の肉体を迎え入れる。ムッチリした女陰と華奢で少し丸みを帯びた女陰とが重なり合う。男性を知らぬ少女の身体同士で交わう。心も身体も未熟な二人には、あまりにも激しい快感が襲う。グチュグチュッと女陰と女陰が絡み合う卑猥な音、汚れた肉と肉がぶつかり合うパンパンッという音が薄暗い部屋に木霊し、恥丘も熱い愛液でドロドロと濡れる。
 「亜紀ぃぃい♥かわいぃぃ♥」
 いつもの大人びた美人だなんて言われている少女はどこへやら、杏子は愛液を、喘ぎと共に唾液を迸らせながら、亜紀の女陰に自身の女陰で口づけ、ベッドの上で跳ねる彼女の身体は豊満で艶かしい、美とはまた違う魅惑さがある。亜紀を責める度におっぱいもブルンブルンッと震える。
 「きぃぃもひぃぃぃいいぉおおお♥♥♥」
 杏子よりも幼い肉体で生来、臆病な性格の亜紀が杏子と女陰と女陰で身体が繋がる事で与えられる快感に耐えられる訳はなく、杏子の肉体の熱さに下半身だけでなく、心身全てを焼き尽くされそうだった。≪現象≫の呪いで死ぬ前に既成事実を作りたい、それだけだったハズなのに、これさえ終われば、結ばれれば、お互いに悔いはないハズだった。だが、幾ら、身体を重ねても、愛と言うには、あまりに醜い肉慾は潰える事はなく、まだまだ、燃え上がるのだった。
 「あぁぁきぃぃぃいぃいいい♥♥♥♥」
 「きょぉぉぉおこぉぉちゃああぁぁぁあぁんん♥♥♥」
 お互いに熱く、マグマの様に濁った蜜を放ち、卑しい色へと染めてゆく。今が合宿中である事、壁一つ隔てた先に他のクラスメイトがいる事さえも忘れて…

 二人の少女が交わり、結ばれたその夜、この合宿所は原因不明の火災に見舞われ、彼女らもその紅蓮の業火の中に消えていったと言われている…

 しかし、それから、数十年経った現在でも、大人びた栗色の挑発を靡かせた女性と大人と言うには、少し子供っぽいふわふわの茶色い髪の童顔の女性の百合カップルが仲睦まじく寄り添う姿が夜見山で見られるという…
 それは≪現象≫の呪いで「死者」となった彼女らか、≪現象≫が見せる幻なのか、はたまた、あの火災、引いては夜見山に渦巻く、災厄から生き延びた彼女らかは定かではない。




​ FIN

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